"過度な"成果偏重主義にはご注意を

職場の上下関係がギスギスする

人事部のスタッフや部署のリーダーが、新入社員を感覚的に評価するシステムでは、新しい時代に適応できません。労働時間の長さや上司への態度なども、人材評価の基準にはなり得ますが、欧米諸国の企業では客観的な成果の数値で労働者を評価します。 営業職であれば月々どの程度、新しい契約を結んできたか、純粋な成果だけで新入社員を評価する企業が国内でも増えてきました。成果主義の利点は年齢や性別、これまでのキャリアなどに左右されず、純粋に労働者個人の実力で給与や待遇を決定出来る点です。 ただ一方で行き過ぎた成果主義は、職場の上下関係を悪くします。本来であればお互いに助け合うべき同僚が、ライバル関係になってしまうためです。自分の営業成績を少しでも引き上げるため、部下の手柄を横取りしたり、今まで培ってきたノウハウを部下にあえて教えない等、成果だけで人事評価をすると思わぬ弊害が生じます。

数値にあらわれなない実力は評価できない

営業成績は客観的に数値化が可能なものです。どの社員が、毎月どういった件数、新規契約を結んでいるか客観的なグラフで確認出来ます。一方で、労働者の実力や努力はすべて数値に置き換えられるものではありません。例えば営業の成果は平均未満であるものの、部下の育成は大の得意であり、また企画会議では斬新なアイデアを出す人材がいたとします。契約件数の数字だけで個人の給与や待遇を完璧に決定する人事評価システムだと、そういったムードメーカー的な人材を正しく評価する事が出来ません。 成果主義を採用する事自体は決して悪いことではありませんが、評価する軸や基準が一つだけだと、出世や昇給する人材に偏りが生まれやすいです。数字では言い表せない、縁の下の力持ちとして頑張る人々を冷遇しやすいのが成果主義の側面であり、ムードメーカー的な人材の離職が相次げば組織の多様性が失われかねません。